心疾患

肥満の男性

心疾患の種類

心疾患は心臓病とも呼ばれ、生命活動に関わる大事な臓器のひとつである分、その症状は重篤化することも多いです。
心疾患には心不全、心内膜炎、心臓弁膜症、心膜炎、先天性心疾患などがあります。
医療機関では心臓外科を設置していることも多く、日本人の死因トップ3に入る心疾患への対応、研究が進められています。
たとえば心不全はもっとも多い心疾患の一つですが、血液の拍出が足りず、体が必要とする循環量に満たない状態を言います。
心臓弁膜症もよく見る疾病ですが、弁が狭まることで心室に負担がかかる大動脈弁狭窄症などがあります。
原因はリウマチ熱や動脈硬化、さらに心筋梗塞があります。
先天性心疾患は赤ちゃんに見られる病気ですが、胎児のころから判明している場合が多く、体力がつき次第手術をすることもあれば、経過観察する場合もあります。
よく見るのは心室中隔欠損症や、心房中隔欠損症で、左心室と右心室、あるいは左心房と右心房を隔てる壁に穴が空いている、または壁がない状態を言います。
穴が小さければ経過観察でよくなることもあります。
ほかにも、心筋炎や狭心症、心臓性喘息に突発性心筋症、心臓神経症や心室細動などが、心疾患として知られています。
いずれも心臓外科などの専門医にかかる必要がありますが、自覚症状はあってもそれが心疾患とは思わず、別の科を受信してはじめて指摘されたり、健康診断で受けた血圧測定や心電図で指摘されることが多いのが現在の日本医療の現状です。
また自覚症状がないと急性の心疾患を引き起こすこともあり、医療機関への定期的な受診や、健康診断を受けることが重要になってきます。

食生活と心疾患

心臓病はいまや成人病といわれており、その死亡率は日本のトップ3です。
他の国や地域でも心疾患による死亡率は高く、アメリカ心臓協会では2006年、心臓病を予防する、闘うために、健康的な食事、生活を送るよう勧告しました。
これによると、食生活を変えることで発症率が向上し、成人男性では25%前後、女性では15%前後の発症率となっています。
カロリー摂取に気をつけ、体重のキープを心がけるようにも忠告し、さらに運動を30分程度するよう推進しています。
穀物を摂る場合は、半分以上は全粒穀物とし、野菜や果物をたくさんの種類摂るよう進めています。
食物繊維の摂取量の目安は25gです。
脂質は摂取カロリーの25~35%までが望ましく、大半を不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸にするよう指導しています。
さらに週2回の魚の摂取、肉は皮を剥がしたものを推進し、固形マーガリンやフライドポテトの抑制を促しています。
コレステロールを1日300mg以下にし、砂糖を含む飲食物を減らす努力をしましょう。
これらは日本人にも言えることで、食事の欧米化により日本人の肥満が増え、生活主幹病患者の増加が懸念されています。
欧米人と日本人は基本的に体格が違いますし、消化の機能も異なります。
ですから、欧米と同じ食生活で、健康が保てるかというと難しいことなのです。
日本では和食を推進しており、野菜を1日350g以上食べるよう促しています。
さらに1日30分以上の有酸素運動を推進しています。
こうした生活習慣や食生活の改善で、心疾患を防ぐことができるのです。