放射線科

カプセル

現代医学になくてはならない存在

病気やケガを早期発見するためには、私達の体でどのような異変が起こっているのかを判断しなければいけません。
しかし、人間の体は皮膚で覆われているため、普通であれば体の異常を判断することはできません。
そこで必要になるのが放射線科なのです。

放射線科では主に放射線による診断と治療を行います。
放射線による診断とは、X線写真やCTなどによる画像診断を行います。
場合によっては複数の画像により診断結果をより正確なものにします。
これらの画像診断は、患者さんの症状を正確に診断する材料として必要不可欠になっています。

放射線による治療とは、がん患者さんに対する治療になります。
がんの治療は主に外科手術と抗がん剤による化学療法、更に放射線による治療のいずれかを症状に合わせて選択するか、複数を組み合わせて行います。
放射線治療とはがん細胞に対して放射線を照射することで退治する方法です。
場合によっては外科手術が難しい位置にがん細胞が存在している場合もあるため、がん細胞へ放射線を使ってピンポイントで攻撃することで縮小化、消滅させるのが狙いです。

放射線科で扱う病気と治療法

放射線科で取り扱うのは病気やケガ全般です。
各診療科の医師と連携を取り合いながら、診断の確定をするために放射線科の医師が活躍します。
例えば、骨折が疑われる患者さんの状態を確認する場合には整形外科の医師などと連携をとりながらX線検査を行ってどのような状態で骨折しているのかを確かめます。
整形外科の医師はX線検査の結果を受けて、どのような治療が必要なのかを判断することになります。
このような画像診断はあらゆる病気やケガに対して必要とされていますので、幅広い分野の知識が必要とされます。

放射線科で病気の治療を行う場合にはがん全般が対象になります。
がん細胞は全身のあらゆる場所にできると考えられていますが、特に外科手術でがん細胞の病巣を取り除くことができない場合には有効な治療法です。
例えば乳がんは女性にとって恐ろしい病気です。
がんという病気に対する恐怖についてはしっかりと病巣を外科手術で取り除くことができれば良いのですが、完全に乳房を摘出しなければいけない場合があるため女性にとっては精神的なダメージが大きくなる可能性があります。
どの程度の病巣なのかにもよりますが、がん細胞の部分を小さく摘出して乳房全体を残し、放射線治療を組み合わせることでがん細胞を縮小して消滅させることも不可能ではなくなっています。
他にも声を出すために必要な声帯を取り除く可能性が高い咽頭がんに対しても、最初から声帯を取り除くのではなく放射線治療を施して声帯を残すように試みる治療も可能です。