産婦人科

女医と看護師

女性専門の診療科

女性は男性には絶対に不可能な妊娠、出産という大事な役割を担うことができます。
妊娠や出産は病気ではありませんが、必ずしも元気な赤ちゃんを出産できるとは限りません。
出産は命がけで行うもので、昔は出産時に母親が死亡するという事例が少なくありませんでした。
幸い、現在の日本は出産に伴い死亡する事例は少なくなっていますが、医療が発達していることと産婦人科医が活躍しているおかげなのです。
産婦人科では妊娠から出産、新生児期に関する診療科で元気な赤ちゃんを産んでもらうために適切な診断と治療を行います。

また、女性特有の病気を取り扱う診療科でもあります。
女性には子宮や卵巣などの女性にしかない臓器が存在しており、それぞれの臓器が抱える疾患に対して適切な治療を施す必要があります。
最近は出産に関連する診察や治療を行う産科と、女性特有の疾患を診察治療する婦人科に分けて診療科を掲げている医療機関も増えています。

産婦人科で扱う病気と治療法

産婦人科は妊娠中の女性が元気に赤ちゃんを産むまで定期的に妊婦健診を実施しています。
血液検査を行ったり、エコー検査で赤ちゃんがどのような状態になっているか確認して異常が見られないか判断します。
妊娠に関しては病気とは異なるため、妊婦健診の費用は健康保険が適用されません。
しかし、妊娠に伴い何らかの異常が見られた場合には病気とみなされるため健康保険の適用を受けることができます。
例えば正産期に入っていないのに子宮の収縮が頻繁に発生して子宮口も開き始めているという場合には早産の可能性が高い切迫早産と診断される場合があります。
切迫早産の状況によっては入院をして絶対安静の状態で過ごす必要があります。
入院中は24時間子宮の収縮を抑える点滴を行うなどの治療を施し、正産期まで過ごすことになります。

女性特有の病気として多いのが子宮や卵巣に関する病気です。
これらの臓器にもがん化する可能性があるため定期的に検査を行うことが重要だとされています。
子宮体がんや子宮頸がんについては定期検査で確認することができますが、卵巣がんについては自覚症状がほとんどないため見落としがちになります。
体調がおかしいなと感じて精密検査を行った結果、卵巣がんが発覚したというケースも多いです。
子宮や卵巣にがんが発見された場合には、外科療法や抗がん剤の化学療法、放射線療法のいずれかが選択されます。
まずは病巣を取り除く外科手術が行われて、他の臓器に転移がされていないことを確認してから放射線や抗がん剤などの治療が開始されるケースが多いです。
特に卵巣がんについては他の臓器にできるがんと比較しても抗がん剤の効果が出やすいと言われています。
早期発見と様々な治療法を組み合わせることで根治することも可能になっています。